きゃらめるescape

メシアを探して

続:聖なる夜のお話

ーとある年の12月25日。

イルミネーションが輝く街の中に二人の子供がたっている。

少女のほうは14歳ほど。少年のほうは13歳ほど。街灯の下で誰かをまつように立っている。

目の前を楽しそうに通り過ぎる恋人たち。見ないふりをした。

「・・・ねえやっぱりこないんじゃないの?」

少年が少女にきく。少女はこういった。

「うん。きっとこない。」

少年は、ええ!?っといった。

「じゃあなんで?こないって知ってて待ってる必要あるの?」

「・・・。」

少女は少年の問いを聞き流した。少年は仕方なく口を閉じた。

少女がなにかをいうのがわかったから。

「ずっと前にここで二人のサンタさんに声をかけられたの、覚えてる?」

うん、と少年はうなずく。

「覚えてるよ。それがなにか関係あるの?」

「・・・あのサンタさんたちきっとね、」

 

少年がそれを聞いた時に目を見開く。

「なんで!?なんでそんなこと思ったの?だってもうあのときお母さんたちは・・・」

スッと少年の口に少女が人差し指をあてる。それをいうな、というように。

「・・・なんでさ?理由があるからそう思ったんだろう?」

うん、と少女がうなずく。

「お母さんがまだいるときにさ・・・覚えてる?首にネックレスしてた。お父さんは黒いピアスつけてた。」

少年はあいづちをうつ。

「女のサンタさんはネックレスつけてた。男のサンタさんは黒いピアスつけてた。」

「・・・それだけ?」

「もらったプレゼントも。あれやっぱりお母さんのリボンだった。アレンのもお父さんの手袋だよ。」

少年ーアレンは自分の手をみる。茶色の少し大きめな手袋。

「・・・なんでそんなことわかるのさ?」

「昔の写真をみてたんだ。お母さんたちがまだいる時の写真。」

アレンは何かをしゃべろうとしてやめた。

 

「・・・だから――。」

 

 

 

 

「あのサンタさんたちはきっとお母さんとお父さんだったんだよ。」